2017年4月18日火曜日

【陰隲録】功過格表53 セカイ系労働問題 たとえ世界を敵に回しても君を守る(少女漫画のイケメン男子) 五十善 仕事を世話しよう⑭




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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

五十善に相当する

一人の流離を救免す。




【全てこの世は事も無し】


何度か話題に出た、江戸時代の次男三男問題は、現代の仕事が無い問題と、同一の問題です。

基本的に、農民にしろ町人にしろ武士にしろ、封建制の時代は、今の無限に成長し続ける、資本主義社会とは違います。

生産性は減りも増えもしないのです。
循環社会といえば、聞こえは良いのですが、生産性が変わらないということは、身分制の下位の存在は、全く夢も希望も無いことを意味します。

農民は田畑や、商人は市場、武士は役職が、先祖代々キッチリカッキリ決まってしまっているのです。

要するに、新規参入者の、座席が空いていないのです。

家としては、この座席を代々、継承していくのが家と血を伝えるための必須条件でした。

そのため、長男という跡継ぎ以外にも、バックアップとして次男三男を育てたのです。
要するにスペアです。
もし、長男に何かあれば、バックアップ要員があとを継ぐのです。

しかし、このバックアップ要員の人生は、あくまで補欠です。
都合よく、長男が死んだならばいいのですが、人生そうそううまい話はありません。

のうのうと長生きして、バックアップ要員が不要になることが大半です。

暴れん坊将軍で有名な徳川吉宗は、こうしたバックアップ要員でしたが、都合よく自分以外の継承者がバタバタ死んで将軍様になれました。

※まあ、どこの王族貴族も、こうした不自然な継承者の死は珍しくはありません。
普通に暗殺でしょう。

が、これは一般には、例外中の例外です。
大半のバックアップ要員には日の目は出ないのです。

長男が生き残って、無事、その後継ぎが生まれると、バックアップ要員は不要になります。

家が豊かならば、分家として相続を受け一家を形成出来るでしょうが、そんな豊かな家は多くありません。

一生、家で飼い殺しになります。
扱いのレベルは様々ですが、場所によっては長男一家の奴隷であることもあります。

※おじろく、おばさでググってみるとその具体例が出てきます。

まあ、使用人ぐらいの扱いは普通です。
一生、結婚も出来ずに死んでいきます。

そのため、次男三男は家を出て、他家や商人に奉公に行きます。
武士階級で分家出来ないレベルの家だと、文化系の道に進むことが多かったようです。

つまり、武士の長男は家を継ぎますが、それは藩の仕事(役人)を引き継ぎます。
家と役職は身分制では一体です。

それを引き継げない次男三男は、こうした公務員になれないので、文化系の仕事につくのです。
農民や町人と違って武士は教育を受けていますので、こうした文科系の仕事につける余地があります。

江戸時代の有名な文化人や学者などは、大抵、こうした武士の次男三男です。

豊かな商家も同じです。
商家だとさすがに、盲目的に長男に継がせるということはせずに実力主義で、有能な番頭に継がせることが多いようです。

大抵、豊かな家の子供はボンボンなので、真面目に働きませんし、遊び歩いている放蕩息子ですので、まあ無理はありません。
何時の時代でも豊かさはハングリー精神を奪います。

遊び歩いているというのは文化の素養があるということです。
先程の武士の次男三男と同じく、あとを継がなかった息子は文化系の方向に進みます。

しかし、これらは、武士や商家と言った余裕のある連中です。
大半の農民の次男三男は、当然、悲惨な末路です。

家で飼い殺しになるのはまだましで、奉公先も無い(長男が無事に育つまで待つと、次男三男も齢がいってしまうため奉公に行けない)、家も田畑が狭く養えないとなると、当然、流浪人にならざるを得ません。

彼らはどこに行くのでしょうか?

まっとうな職場の席が無い以上、彼らは非正規にならざるを得ません。
村や都市に出て、下層がやる非正規雇用の職で食いつなぎます。

特に、江戸時代の大都市は、こうした農村の次男三男が、非正規雇用でその日暮らしをする格差社会でした。
今の日本社会や、中国のヘイハイズ(戸籍が無い子供)と全く構造は変わっていません。

一切は諸行無常ですが、こうした構造(関数)は常住不変なのです。
歴史は繰り返されるのです。


【陰隲録】功過格表㊼ 希望の国から光の国へのエクソダス 五十善 仕事を世話しよう⑧




【タイムリープ】



現在の、無職問題は、この江戸時代の構造と同一のものです。
要するに、座席が無いのです。
椅子取りゲームにおいて、既存に出遅れた新規参入者の席は無いのです。

それは、本人に問題が有るのではなくて、単なる時代の問題だったりします。

たまたま、不景気の氷河期に社会に出た者は、職が得られず、非正規雇用で、一生、結婚も出来ず一家を構えることは出来ません。

参加人数に対して、座席数が無いのですから、初めから無理ゲーなのです。
必ず、あぶれる人間が存在します。

しかし、江戸時代ならいざしらず無限成長方式の資本主義社会でなぜこんなことが起きるのでしょうか?

理由は簡単で、大きく二つの理由があります。

一つは言わずと知れた、資本家様の搾取です。
ソ連崩壊以降、もはや資本主義に掣肘をするパワーはありません。

アメリカを筆頭にシャカリキになって搾取しはじめました。
もちろん、その子分の日本も同様です。
先進国内での、国内格差はアメリカに続いて栄光ある二位です。

国全体ではバブルの頃と大して変わっていないにも関わらず、中層と下層の所得が減って上層がひたすら溜め込むという美しい日本の構図となっています。

今は、さらにタックスヘイブンも利用可能なので、やりたい放題です。

まあ、ここらへんは、今更な話でしょう。


二番目の問題は、こうした新自由主義と並んで世界的な構造の変化です。
グローバル化とIT化です。

先進国の国内で高い賃金を払うよりも、途上国の安い労働者や移民の方が、資本家様にとってはコストダウンで良いのです。

ましてやIT化で他国間のやりとりも楽になっています。
仕事自体も、今まで百人いた仕事が一人で可能になっているのです。
百人の事務員の仕事がパソコン一台で可能なら、誰でもそうします。



↑こんな感じです。

かくして、世界規模の椅子取りゲームは、狂乱を呈し、勝ち組と負け組に別れることになります。
時代は狂々(くるくる)と、同一の構造を、廻り続けるのです。



【世界を救うはじめの一歩】


時代によっても人間の構造が同じならば、過程も結果も同じなはずです。

では、椅子取りゲームにあぶれた人間が増えればどうなるのか?
やはり歴史を見れば、その答えは載っています。

革命や戦争を含めたガラガラポンです。

つい全盛期も、世界規模の大恐慌で大量の仕事がない人間が溢れた結果、国内の余剰人口を、ブラジルや満州に棄民したり、一心不乱の大戦争で、殺し合い、生産インフラを破壊して、ガラガラポンしました。

資本主義はネズミ講なので、ある程度、生産力が世界規模で高まると、必ず、余剰労働力が生じるので、無職が街に溢れて、世情不安になり、戦争行為でカタをつけることが多いのです。

江戸時代に大量に溢れた仕事が無い人間の処理は、戦国時代末期には、秀吉の大陸侵攻で半島にポイ捨てしてきています。

国内問題をそらすには対外戦争というのは、古今東西の、為政者の変わらぬ心理構造です。
いつの時代もどこの国も、やってることは一緒です。

ちなみに、日本は失敗したので、悪く言われていますが、成功すると、フロンティア精神として歴史では美化されます。
新大陸に侵略したアメリカ人や世界中に難民している華僑やユダヤ人などは、ドヤ顔しています。

まあ、今の我々日本人も、昔には日本列島に先住民を駆逐して居座っている侵略者なのですが、結局、歴史は勝者が紡ぐ金の糸です。
次に頑張りましょう(問題発言)。

江戸時代は、徹底した管理社会でしたので、政権転覆は起きませんでしたが、島原の乱や由井正雪の乱など、あぶれた浪人がちょくちょく乱を起こしています。

もちろん、農民一揆も頻発していますが、それよりも重要なのは、こうした流浪人たちは、既存社会に参加出来ないため、相互コミュニティを形成したことです。
これが、日本の裏社会の流れの一つになります。

変な話ですが、マフィアや裏社会は、大抵こうした困窮者の相互コミュニティが元の場合が多いのです。

中華マフィアやイタリアマフィア、今だとアフリカンマフィアなども同様です。

表のシステムで収容しきれないあぶれ者が、相互コミュニティを形成した結果、マフィア化するのです。
理由は、単に仕事が無いという無職問題、労働問題に起因します。

要するに、こうした裏社会の存在は、表の社会が作り出しています。
単に汚れ仕事をする必要があるからというよりは、発生原因そのものが、表のシステムの尻拭いなのです。

まあ、国内でマフィア化するだけならまだいいのですが(よくないのですが)、上述したように、戦争まで行く場合がよくあります。
裏社会ですら収容できなくなった無職は、戦争を引き起こすのです。

江戸時代や徹底したディストピア(北朝鮮とか未来の管理社会とか)なら、弾圧で封殺出来るでしょうが、民主主義社会では不可能です。

放置しておけば、現代の資本主義システムも、前世紀と同様のガラガラポンを引き起こすでしょう。

それを引き起こさないためにも、この、
一人の流離を救免す。
と、言うのは、重要な徳目なのです。

皆さんが無職やホームレスを救済することで、世界の大戦を防ぐのです。
寒空の下で凍えている哀れな身を収容することで、天下国家を救うのです。

礼記の大学(四書の一つ)でもこう言っています。

収身斉家治国平天下

と。
まさに、職を与えることで身を収めて、一家を形成出来る収入を得られ、国は安楽に治まり、戦争も起きず天下泰平なのです。
※漢字の誤記は見ない振りをしながら


貴方の小さな一歩が世界の存亡と関わっているのです。
ラノベ業界で言う、「セカイ系」なのです。

まあ、これは大規模な構造の問題なので、個人レベルのミクロな動きで何とかなるとは思いませんが、しかし、少なくとも、陰徳効果により貴方個人の運命は変えられるのです。

世界のことはどうでもいいのです。
貴方だけが助かればそれでいいのです。

ラノベのセカイ系の主人公も、大抵、世界のことよりも個人レベルのこと(要するにヒロインの女の子)を先決してます。

先の大戦でも何時の時代でも大変動の時代に、のうのうと大儲けした人は一定層います。
彼らの強運を見習って、精進しましょう。

※大抵、ろくでもないことをしているのですが。


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