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その事例が、他の閲覧者様の、新しい積善改過の参考となり、
そしてそれが、さらに陰徳になるという、好循環のスパイラルです。
前回のまとめ
因果応報という、バリバリの差別思想を、無理やり擁護するための弁仏論を張る豊河。
とりあえず、
①業の不可知性
②業の窃盗自由
③業の空性
④業の無効論
の、4つの反論を「無理くり」捻り出す豊河。
※詭弁レベルで無理やりやってます。
3つ目の、
③業の空性
です。
大乗仏教の空性という悟りの境地で、因果応報の弊害を無効化してみましょう。
言葉はいらない
前回のラストに、
「全ての万象は、因果応報で構成されている非自立型の構造だから空である」
くらいの、空性の解釈で実験してみましょうという話で終わりました。
このくらいだったら通常のロジックでもなんとか分かります。
というより、普通の空の解釈は、はっきり言って、通常の人間の脳の構造では分からないようになっているからです。
ぶっちゃけ言えば、矛盾しまくって、現代人の我々から見れば、喧嘩売ってる文章ロジックなのです。
もっと言えば、通常のロジックや言葉では分からないからこそ、尊ばれるのです。
不合理故に我信ず。
これは、キリスト教の話だけではありません。
変な話ですが、宗教の世界とは、一般の世間一般の考えとは、真逆の考え方です。
老荘思想でありませんが、価値観が逆転するのです。
頭が悪いほど、金がないほど、力が弱いほど、価値があるとみなされるような思考体系なのです。
まあ、こういう反現世的な考えは、宗教や結構ありますが・・・。
というよりも、宗教とは一般の社会では、勝てない人達が集まるようなところだからです。
だから世間一般の名誉や価値観は、宗教では逆転します。
一般の価値観というのは。所詮、真実の世界ではない現世の価値観(という宗教のロジック)だからです。
目に見えない来世の価値観は、現世とは価値観が逆転するのです。
そして、一般のロジック言葉というのは、現世の世界そのものです。
だから、言葉を否定することこそが、あの世の世界の論理であり、そして空の教義であると言えましょう。
そのため、空の解釈、経典で言う般若経系統は、言葉というのを否定します。
通常のロジックとは、全く違うロジック。
というよりも、我々よく知っている、西洋の三段論法のロジックや、アリストテレス以降の現代人の我々が知っている(常識として持っている)ロジックでは、理解できないようなロジックで書かれています。
これら全ては、結局言葉を信用できない。
言葉という現世のものでは、本当の奥義は掴めない。
そういうポリシーがあるのです。
これは、言葉は神であると言う、聖書の一神教とは、別な体型です。
厳密に言えば、西洋と言っても、哲学ではカントやウィトゲンシュタインなどは、言葉の外の世界を語ってはいますが。
最も、西洋宗教でも、神秘主義という分野でこの手の、あの世的な非言語ロジックはあります。
キリスト教でも、ユダヤ教でも、イスラム教でも、言葉によらないで、瞑想的な神秘的な体験によって、奥義をつかむというシステムは普通にあります。
それが、東洋宗教では、表の宗教の教義として、存在しているのが、特徴と言えます。
※西洋宗教では聖書(バイブル)は少なくとも、常識的なロジックで読めます。
さて、ちょっと話がずれましたが、空の解釈は、こうした現世的な一般のロジックから、超越した論理の空の解釈までもありますが、とりあえず、妥当なところとして、上記したような、
「因果応報があるから、その結果として空である」
という穏健な解釈を、とりあえず基本として見ていきましょう。
ちなみに空というのは、大乗仏教の教義ですが、大乗仏教は、基本、小乗仏教(上座仏教)から、分離した宗教体系なので、小乗仏教と哲学的にぶつかることがよくあります。
しかし、この解釈だと因果論の小乗仏教と、空の大乗仏教の教義が噛み合うので、そこらへんから見ても穏健かと想います。
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前回のまとめ
因果応報という、バリバリの差別思想を、無理やり擁護するための弁仏論を張る豊河。
とりあえず、
①業の不可知性
②業の窃盗自由
③業の空性
④業の無効論
の、4つの反論を「無理くり」捻り出す豊河。
※詭弁レベルで無理やりやってます。
3つ目の、
③業の空性
です。
大乗仏教の空性という悟りの境地で、因果応報の弊害を無効化してみましょう。
ウロボロス
因果応報の問題点は、何度も言っているように、
原因と結果の相関関係から、現在の不幸や差別を正当化してしまう点にあります。
要するに、アフリカで飢えている子どもたちは、前世で肥え太った資本家の豚だったから、自業自得で助けなくていいよね?というロジックになってしまうからです。
これらをどうにか対処するのがこのシリーズなのですが、
基本、空性は、「世界は空で存在しないよね?」という、論理ですので、もちろん、因果応報も否定できます(たぶん)。
単純に、
因果応報は空だ!
前世の善業・悪業も空だ!
現在の社会システムも空だ!
もちろん、差別も空だ!
と言えます。
しかし、当然、これを徹底すると、単なる虚無主義です。
もっと言えば、因果応報という理論自体が、消滅してしまいます。
因果応報の悪い面を消去すればいいのに、因果応報自体を消去してしまったら、目も当てられません。
よく言われる笑い話に、諸行無常が真理ならば、諸行無常自体も無常だろうというのがありますが、それと同じです。
論理を徹底させると、自分自身も消滅してしまうのです。
空の自分自身も空になってしまえば、意味がありません。
※厳密に言えば、それはそれで有無を超えた深い境地とも言えますが。
そこで、空性というものの解釈をもうちょっと、レイヤを下げて、もうちょっと現世的に理解出来るものにします。
まあ、前にも言ったように、空の解釈は結構あるので、都合の良いものをチョイスしてみましょう。
量子論がどうたらこうたらで、時間も空間も全部畳み込まれているとかの、高度なレイヤをもっと下げます。
具体的には、因縁因果の論理で解釈出来るようなレイヤで空性を考えます。
とりあえず、
「全ての万象は、因果応報で構成されている非自立型の構造だから空である」
くらいの感覚のレイヤでいきましょう。
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とりあえず、
①業の不可知性
②業の窃盗自由
③業の空性
④業の無効論
の、4つの反論を「無理くり」捻り出す豊河。
※詭弁レベルで無理やりやってます。
3つ目の、
③業の空性
です。
大乗仏教の空性という悟りの境地で、因果応報の弊害を無効化してみましょう。
無
基本的にこの空性の概念は、大乗仏教の発明品です。
そもそも、大乗仏教とはなんぞや?
という人もいるでしょうが、要するに、我々、日本人の仏教(と中国や朝鮮やチベットなど)です。
仏教は、2500年前に釈迦が創始した宗教です。
しかし、その後、色々と分派して、我々、北東アジアや東南アジアに大きく別れています。
我々、日本人が知ってる仏教は大乗仏教(大衆部仏教)で、東南アジアの仏教が小乗仏教(上座部仏教)です。
歴史的には、上座仏教の方が釈迦のオリジナルに近い仏教です。
元々、出家者の集団であった仏教教団は、色々と在家に関わるようになってきて、需要も在家が高まってきたので、従来の出家主義の教義を変更する必要があったのです。
それまでの、上座部仏教と物別れした大乗仏教は、出家主義の上座部から、大衆への救済(需要)を重視する大衆部仏教、すなわち、大乗仏教へと進化(退化とも言う)したのです。
今まで、単に、煩悩を滅して、現世を含む輪廻転生の滅尽を願っていた上座部仏教(小乗)は、解脱の境地は、煩悩の滅尽であり、一切からの楽でした。
ぶっちゃけ、言えば、消滅を願っているネガティブ教義です。
一切の煩悩、欲が無くなれば、輪廻の生存を回る必要がなくなります。
しかし、大乗仏教は、消滅ではなく、「空性」を最高の境地に持ってきました。
この違いは、輪廻からの解脱、消滅という意味から、また違ったニュアンスになっています。
消滅といったニュアンスよりは、存在の肯定の方がシフトが傾いているのです。
皆さんも、般若心経とか禅問答とかで、有でも無でもないとか、色即是空、空即是色とか論理的に矛盾している話をお聞きしたことがあると思います。
有でも無でも無いということは、小乗仏教の存在の消滅、無を否定しているということです。
この中途半端な定義は、要するに、輪廻の消滅という概念は、現世に生きている在家の立場からは、都合が悪いからという身も蓋もない経済需要の意味から来ています。
良く言えば、現実世界の中の大衆を救済するためという慈悲があるわけです。
無から空へ
で、実は、元々の小乗仏教時代にも、空性の概念はありました。
ただ、それは、
世界は空である(むなしいものである)。
という、本来の空(空っぽ)の意味で、要するに、実体の無いもの、虚しいものという否定的なニュアンスです。
元々、釈迦は、仏教の基本公式として、
諸行無常
諸法無我
一切皆苦
涅槃寂静
を言っていますが、上三行は、要するに、世界はクソだ!とディスっているわけです。
無常で、無我で、苦であるとヘイトスピーチしているわけです。
空も同じで、世界は虚しいと言うニュアンスです。
要するに、解脱して無になろうという方向性の範囲内での意味なのです。
大乗仏教は空に、上記の意味よりも別の解釈を与えました。
それが、我々、日本人がよく知っている空性です。
さっきも言ったような般若心経の空ですね。
宗教は基本、経済的基盤の上に立脚します。
大乗仏教が生まれたということは、在家の力が強くなったということです。
お布施をしてくれる在家が、経済的に商業レベルが上がり、ある意味、当時のインドが資本主義化したということです。
維摩経などは、出家よりも在家のほうが宗教的にも上位であることの力量関係を表した経典です。
そのため、小乗仏教の悟りが、現世の煩悩を滅尽した利欲の境地であるに反比例して、
在家の行為を宗教的に認める立場であるわけです。
そのため、大乗仏教の空性は、小乗仏教の単に虚しい空性解釈ではなく、
世界を認める解釈になっています。
厳密には、大乗仏教が、「世界は空である」というときには、
一応、
世界そのものは虚しい、執着や煩悩は虚しい、諸行無常である・・・というニュアンスは、含まれます。
しかし、般若心経の、色即是空、空即是色の通り、大抵の大乗仏教は、空もまた現世と同じ(空即是色)と、現世肯定の論理が、必ずワンセットで、入っているのです。
これは、そこらへんの般若心経の解説本や禅問答の本を読んで見れば、すぐその実例が出てきます。
もっと言えば、基本的に日本は、アニミズムの国ですので、自然崇拝の論理が、日本人の精神の基底には存在しています。
自然体だとかありのままだとか、ありがとうが、大好きな民族ですので、この大乗仏教の現世肯定のロジックが性にあっているのでしょう。
合っていなければ、2000年間も存在していません。
さて、こうした空性ですが、因果応報のダメ側面にどうやって適応させるのでしょうか?
あんまり、役に立たなさそうですが、なんとか適合させてみましょう。
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因果応報という、バリバリの差別思想を、無理やり擁護するための弁仏論を張る豊河。
とりあえず、
①業の不可知性
②業の窃盗自由
③業の空性
④業の無効論
の、4つの反論を「無理くり」捻り出す豊河。
※詭弁レベルで無理やりやってます。
3つ目の、
③業の空性
です。
大乗仏教の空性という悟りの境地で、因果応報の弊害を無効化してみましょう。
空性とは何ぞや?
ちなみに、空性ってそもそも何だ?
と、思われるでしょうが、般若心経に載ってるアレです。
色即是空、空即是色
のやつです。
世間一般の全ての存在や実体は、空である。
しかし、同時に、空もまた実体である。
とか、禅問答のようなやつです。
この空とは何か?ですが、みんな好き勝手にMY空を語っているので、基本的に決まった定義はありません。
以前も、世間で言っている空をまとめてみようとして、頭痛がしてきましたが、
↓この記事
要するに、世の中の物、一切合切ぶちこんだ存在が空。
時間も空間も全部畳み込まれていると考えれば、OKです。
大抵の般若心経の解説書読むと、空の解釈として色々な言い方をしていますが、
要するに、宇宙の全部が入っていると考えればまず、間違いはありません。
時間軸も空間軸も全部一つに入っているので、実質、因果関係が成り立ちません。
矛盾した概念やテーゼが両立します。
A→Bという、論理的な、時間的な関係が成り立たないのです。
何しろ、時間軸も畳み込まれているからです。
A→Bだけでなく、A=Bも、A←Bも、全部、同時に存在しているのです。
さらに、空間軸も畳み込まれています。
今目の前にあるPCやスマフォや自分が全部ごっちゃに畳み込まれています。
善も悪も、敵も味方も、仏も悪魔も神も、全部ごっちゃに畳み込まれています。
当然、この考えは、差別の考えやあらゆる格差を消去します。
金の多寡も美醜も権力も関係ないからです。
そして、前世も来世も関係ない。
罪の有る無しも関係ない。
そもそも、前世も来世も全部、畳み込まれているのですから、区別しようがない。
この段階で、もう近代の人類がわきまえている、論理構造、アリストテレス以後の世界観が通用しません。
もっと言えば、人間の言葉が通用しません。
そして、因果応報理論は、基本的にロジックで出来ています。
過去のカルマが現在の状況を生んでいるという論理構造です。
今生の幸不幸の区別を、前世の罪の有無に結びつけ、差別を生みます。
しかし、幸不幸も罪の有無も、畳み込まれているのです。
そこには、もはや差別はありません。
差別どころかあらゆる区別すら無いのです。
そのため、この空の概念は、難解極まる悟りの境地として、あらゆる苦しみの最終解決法として、期待されてきました。
釈迦の解いた仏教(やその後継者の東南アジアの小乗仏教)とは、また違った境地ですが、日本に来たのは大乗仏教です。
そのため、この空が何かすごいありがたい物だと言う、考えで、今でも、般若心経がありがたがられています。
ここでは、この空性が、何か因果応報のエラーに役に立つのではないか?
という期待値を込めて見てみましょう。