2017年4月17日月曜日

【陰隲録】功過格表52 出世は本来、出家と同じ意味なのに、なぜか逆の意味になっている件について 五十善 仕事を世話しよう⑬





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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

五十善に相当する

一人の流離を救免す。






前回、引きこもり問題は、日本特有(もしくは現代特有)の問題という話をしました。

しかし、いやいや、引きこもり問題は、別にユニークでも何でもないという意見も当然、存在します。

世界は陰陽で成り立っているので、普遍と個別は常に両立するのです。


【キリギリスアリ】


働かないアリの話をご存知でしょうか?

アリ(蟻)というのは、まあ我々人間が見る限り、上意下達のトップダウン方式で毎日せっせと働いています。
ブラック企業も真っ青の労働です。

しかし、そんなアリ社会にも、怠け者は存在します。
他のアリがせっせと働いている横で、仕事をボイコットして、歌って踊って暮らしているキリギリスのようなアリが一定の割合で発生します。

で、ここからが本題です。
観察者として、この怠け者アリを、群れから排除してみます。
腐ったリンゴは周りにも感染します。
これで全体が、サボり魔が消えて効率化するでしょう。

しかし、その結果は驚くものでした。
なんと、怠け者アリを一掃した群れで、新たに以前と同じくらいの割合のサボりアリが登場したのです。
これは、何度やっても同じでした。

これは、一体何を意味するのでしょうか?
これは、引きこもりやニートの問題が、個の問題に還元出来ないことを示します。
要するに、個人責任でなく、全体のシステムの問題だと言うことです。

狡猾な人間という種の社会ならまだしも、本能レベルの知能のアリですらこの有様です。
生物という存在に特有の普遍的な現象だと言うことがわかります。

しかし、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
生存競争ならば、全体が漏れなく働いていたほうが良いのです。
遊んでいるような輩を生かしておいては、リソースの無駄遣いです。

進化の過程で、なぜこんな無駄が生じたのでしょうか?

その答えは簡単です。
多様化による生存確率の上昇です。

つまり、全体において、あまりにも同一的なシステムであると、何かあった時に、絶滅してしまいます。

以前も、全生命や人類が、同じ遺伝子だったら、一つのウイルスにより全滅してしまう危険性を話しました。

怠け者アリがいることで、全体のシステムの硬直化を防ぐ役割を果たしているのです。

これは、人間社会に貴族がいることと同じです。
統治者としての貴族ではなく、芸と名誉と家格しかない貴族は昔から存在しています。

人はパンのみに生きるにはあらず。
怠け者アリは怠け者アリで何かしらの役割があるのです。

要するに猫と同じです。
猫は働きもしませんが、人間に癒やしペットとして飼われています。
何かしらの意味があって、存在しているのです。


【言葉の問題】


現代人の視点で見ると、異質な引きこもりやニートですが、実は、昔を知っている人たちから見ると、そうでは無いことがわかります。

彼らのような存在は、実は、昔からいたと言うのです。
ただ、職種がそれを目立たなくさせていただけのことです。

元々、近代以前の日本人の人口の90%は農民でした。
村々の集まりはもちろんありますが、それは今のように、学校や会社に行くようなレベルではありません。

家からすぐのところで畑や田んぼを耕していればいいのです。
要するに家族以外の人と、接する必要はなかったのです。

近代以後も同様です。
今のようにサラリーマンやサービス業が大部分になった社会と違って、大半が自営業です。

人と会話しない偏屈な引きこもりは、当時から大勢いました。
ただ、それが表に出なかっただけのことです。

恐らく、割合的には、引きこもりやニートになりやすい、インドアな性格(脳の化学的分泌)の人間は今と同じなのでしょう。


そもそも、社会現象や人間の行動・思想は、名前がつくまで認知されないことが多いのです。

昔から社会にあったけど、それが名前がつくまで問題として認知されないということはよくあります。

児童虐待やストーカーなども、昔は別に問題ではありませんでした。
名前がついて初めて問題だと認知されたのです。

名前は呪の一種であって、レッテルでありお札です。
対象を縛り、固定化し、他と分離独立させるのです。

神道だろうが、陰陽道だろうが(大乗)仏教だろうが聖書だろうが、ここは同じ意見です。
みんな、世界の根源は言葉であるというのが一致した意見です。

言葉は神であり言霊なのです。

※厳密には世界というより、人間が認識する世界。
世界そのものには名前や言語は無い。

そして、このことは、先程のアリの話と同じように、全体のシステムの問題です。
時代の職種の変更により、今まで問題化されていなかった問題が問題として顕在化されてきたということです。

怠け者アリが全体のシステムの問題と同じく、引きこもりやニートも全体のシステムの問題です。
時代が違えば問題では無かったのです。

日本人そのものも昔と今ではだいぶ違います。
一昔前は、主流な性格は職人タイプでした。
これは、先程も言ったように、社会の大部分が職人か農民だったからです。

やがて学校教育が始まり、工員と兵士が求められました。
集団社会でのコミュニケーションが求めれたのです。

しかし、こんな教育は都市部の商人か武士くらいしか無かったのです。
割合にして一割くらいでした。

誰しもが集団でコミュニケーション出来るわけではありません。
引きこもりやニートが発生するのは当たり前です。
ましてや、昔のように、働かないと死ぬという環境でもありません。

発生して当たり前なのです。

※詳しく述べませんでしたが、儒教文化圏で引きこもりやニートが多い傾向があります。
母親が過保護で、子供に高等教育を受けさせる環境だとも言えます。
これも当然、高等教育に向かない人間が環境に合わずにドロップ・アウトする例かと思われます。
同じような過保護教育ママ文化圏のユダヤ教でも同じような問題が発生しています。




【出家】


しかし、とは言っても、昔は良かったと言っても始まりません。
今、現代社会で生きているのですから、しょうがありません。

世が世なら、内の家は殿様だったと嘆いても仕方がないのです。

結局、自分自身が幸福かどうか。
自分自身が苦しみがないかというのが全てです。

外部の世界はどうでもいいのです。
それが、自分自身と合っているかどうかが全てです。

世界が戦乱で、億単位の人間が苦しんでいようが、快楽殺人者や乱世の奸雄の才能があって、才能をフルに働かすことが出来て、幸福・爽快ならば、乱世は最高の環境になります。

引きこもりやニートでも同じです。
引きこもった環境が、自分にとってプラスになることが存在します。

インプットやアウトプット、さらに内省の時間としては最高の環境です。

開運の条件の一つに読者があります。
何千冊、何万冊の本を読めば、常人とは違う視点に立つことが出来ます。

諸葛孔明などが有名な例です。
伏龍と言われていましたが、今で言う引きこもりニートです。
しかし、常人が凡俗の仕事をしている間に膨大なインプットを完了させ、世に出たのです。

ただ、単にゲームをしていたニートとは違います。

アウトプットにしても一心不乱に大量のアウトプットを放出すれば才能が大成することがあります。
才能はこういう環境がなければ花開きません。
日々の生活や仕事に追われるようでは、芸は開花出来ないのです。

上記しましたが、貴族は労働は奴隷にやらせて自分たちは哲学や文学や芸術をする。
これが、古今東西の貴族です。
言わば、引きこもりやニートは、現在の貴族階級と言えます。

そして、極めつけは、宗教です。
宗教者として成り上がるには、いくつか条件があります。

能力者か情熱者か知識人か詐欺師です。
どれも才能が必要ですが、少なくとも後天的には取得可能なのです。

釈迦やイエスをご覧いただければ分かる通り、彼らは、引きこもりニートでした。
少なくとも、一定期間の間、世間から引きこもり、乞食として食わせて貰ってたのです。

そうして、断食したり苦行したり瞑想したりして内省をした結果、宗教者として世に出ました。

今でも天台宗のなんとか行とかが話題になりますが、引きこもりニートと同じです。

宗教は、働きたくないという怠け者にはいい職種です。
どうしても働きたくないという人は、出家も考えてみては如何でしょうか?
別に、ヤクザと違って、カタグ(還俗といいます)に戻れないわけではないのですから。

全然、合わないかもしれませんし、もしかしたらものすごくあって、大成するかも知れません。
名僧、高僧と呼ばれるようになったり、果ては歴史に名前が残るかも知れません。

世間に合わなかったのは、宗教という貴い聖職につくためだったのかも知れません。
むしろ、貴方の霊性レベルに世間のレベルが低すぎたのです。
こんな世間なんて、エスケープしてしまいましょう。

※ちなみに、貴方が宗教者として大成したら、紹介者の豊河の陰徳EXが上がるので、期待しています。

これこそ、何もしなくても不労所得が入ってくる引きこもりニートの勝者です。
※別に豊河は引きこもりニートでは無いのですが。





























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