2017年9月10日日曜日

【陰隲録】功過格表145 一番ラッキーな人生は世襲でのうのうと生きることという身も蓋も無い現実  十善 いい人を紹介しよう㉒











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その事例が、他の閲覧者様の、新しい積善改過の参考となり、
そしてそれが、さらに陰徳になるという、好循環のスパイラルです。

【開運講座:陰隲録・功過格/袁了凡】のシリーズ記事一覧はこちら



功格五十条(善行のプラス50項目)

・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

十善に相当する行為
◯一有徳人を薦引す



世襲制




推薦の歴史は、そのまま人類の政治システムの立身出世のシステムです。

権力システムの歴史と言ってもいいでしょう。

人類の歴史は、基本、軍事力(暴力)による歴史です。
強力な軍事力を制する存在が、そのまま権力者となりました。

暴力で権力を掌握した為政者は、そのまま世襲制を望みます。
自分の子供を王位につけたいのは親の心情です。

また、実力で次の王位を争うと、戦争になるという面もあります。
特に、王の子供がたくさんいると、兄弟間でバトルロワイヤルが始まります。

アレクサンダー大王は、後継者に一番強いやつという条件を出しましたが、その結果は歴史が示すとおりです。

世継ぎ問題は、ほぼ例外なく、人間の権力システムで発生し、洋の東西、古今を問いません。

その結果、王の長兄が後継者。
このルールがどの文明圏でも共通しています。

統一王朝が出来ない連合部族などは、持ち回りで王を排出しますが、それも時代が進めば統一国家になり、上記のルールになります。

日本でも古代は、ゆるやかな部族の連合体として、大王を排出していた時代があります。
しかし、文明が進み日本が統一されてくると、世襲制の長兄男子のシステムとなりました。

しかし、これは、あくまで組織のトップの話です。

対象コミュニティが膨らんでくると、単純な世襲では経営できなくなってきます。


乱世


高貴な家は、資本力があるため、子供に有用な教育を受けさせることが可能です。
庶民が識字率さえ怪しい中、帝王学を課することが可能です。

そのため、世襲と言っても、親の仕事上のノウハウや教育を受けられるため、実力的な面から見ても、あながち、おかしなことは起こりません。

しかし、世襲制のデメリットは何と言っても、身分制の固定です。
成り上がりは成り上がりで根性がひねくれている存在は多いのですが、身分制の世襲も問題児は多いのです。

飢えたことのない人間には金の大切さは理解できないし、差別の悲惨さは理解出来ません。

21世紀の今ですら平然と、収奪経済論理がまかり通っているのですから、近代以前の社会ではなおさらです。

これが進むと、民への搾取が恒常化し、結果、天災と内乱や外患が発生します。
国が滅ぶお決まりのコースです。

単純に、国家システムが数百年も長持ちしないということも上げられますが、システムと人が固定的なのは、そのまま時代に対応出来ないということと同義です。

これは、平時よりも乱世のほうが明確化します。
世襲にこだわっていると、戦争に負けてしまうからです。

現在でも企業や財閥がこれにあたります。
無能な跡継ぎは排斥されるか、組織が滅んでしまうのです。

しかし、少なくとも、跡継ぎが馬鹿でも、有能な人間を招聘するシステムがあれば、まだなんとかなります。

そこで、有能な人間を下から抜擢するシステムが必要になってきます。

貴族制度の時代では、トップ以外にも、下の行政機構も全部世襲制ですが、それでも実務担当や補佐役は、世襲にしないシステムが採用されてきました。

史記や三国志や日本の戦国時代では、この手の下からの有能な人間が数多く出てきます。

彼らは、平時では身分の低い、一生芽が出ることの無かった存在ですが、乱世では、頭角を発揮することが出来たのです。

しかし、これはあくまでも乱世の非常事態です。

平時では世襲制の障壁を突破出来ることは出来ないのでしょうか?



科挙


古代中国では、君主が、在野の賢人に王位を譲る(ふりをする)禅譲の茶番劇が良く行われました。

儒教の教義に、昔そんなことがあったよという話があるからです。

当然、有史上、そんな実際例は中国史になく、あったとしても、それは、旧王朝に新王朝が、軍事力で無理やり禅定するという例くらいです。

しかし、こんな茶番劇をやっている中国でも、マシなシステムを発明しました。

科挙システムです。

隋唐の時代からあったこのシステムは宋の時代以降に有効化されて近代まで続きました。

身分ではなく、能力、それも試験というIQで官位を決めるという、実力主義システムは、近代西洋の知識人ですら絶賛したシステムでした。

まあ、実際には、受かるくらいの勉強が出来るのは上流階級だけだとか、内容が実務と乖離しすぎて、現実に対応出来ないといかの弊害がありましたが、それでも、現代社会も、官僚の選抜に科挙システムを採用していることから見ても、中国の先進性が伺えます。

今のような多様な金融投資の商品が無かった時代、庶民の一発逆転の方法は、科挙に受かることでした。

そのため、一番の投資は、勉強です。
具体的には、一族で優秀な子供に投資するのです。
その子供が科挙に受かれば、一族みんな引っ張り上げてくれるのです。

中国人は(今でも)公金と私金の区別がついていない連中ですので、士大夫階級となれば、その権勢や資本は「日月すら動かす」レベルです。

今でも中共で、汚職の金額が、天文学的な金額が報道されるのは、これに依拠しています。


三点セット


ここんところ、何回か紹介していますが、

1に宿命、2に運、3に風水、4に積陰徳、5に読書
※遁甲の本だと、風水の代わりに遁甲(兵法の方位術)を置いています。

開運の順序は強力順に上記になっています。

我々が実際に出来るのは、4以下の陰徳と読書(努力)です。

科挙システムは、現代でも試験という形で残っています。
実際は、家の経済力や教育力に左右されますが、逆を言えば、大人になった後は、自己責任と言えます。
※厳密には教育時の習慣に左右されるのですが。

試験に受かって高収入を得るには、開運と同じです。
陰徳と読書(努力)です。

科挙の時代には陰徳が重要でした。今でも同じです。

↓参考記事


【陰隲録】謙虚中るに利あり⑩ 新世界の神不要論



開運しようと思ったら、陰徳と読書(努力)しかありません。
ちなみに、読書(努力)とは情報量のことです。

例えば、このブログ自体が読書です。
陰徳という方法をこのブログで知ることが出来たならば、知っていない人と比較して、武器を持っているといことなのです。
知は力なりという言葉の通りです。

医学や栄養学や脳科学の知識があれば、毎日運動するとか野菜を食べるとか瞑想するとかの、親の小言のようなことも、正しいとわかります。

この知識(情報)があるかないかで人生はだいぶ変わります。

陰徳と読書(努力)と、ついでに3の風水(神社仏閣や神仏)の三点セットで開運出来なければ、それはもう命運のレベルなどで、どうしようもありません。
※しかし、正直、そこまでの人は、まずいないと思いますが・・・。



まあ、一番の試験というかフィルターというか選別は、死んだ後と生まれる前の段階です。

古典的に閻魔の前で裁きを受けるところです。
今までの人生の一大総決算の瞬間です。

この瞬間に比べたら、生前の試験とかは、余技に過ぎません。

ここでガッツリ決まった人生のスケジュールを、命運と言います。
後天的に開運出来るのは、三割くらいと言われています。
※頑張って三割ということです。何もしなければ10割です。

まあ、生まれてしまっては仕方がないので、我々は、後天的な開運と、死後の果報のために、陰徳を積むしかありません。

この駄ブログが、その一助になれば幸いです。



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