2017年3月12日日曜日

【陰隲録】功過格表⑳ 成り上がりは高貴な血筋に成りたがる 五十善 家を絶やさないこと。⑪





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はじめに(ご挨拶とこのブログの目次・地図)


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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

五十善に相当する

○一嗣を延続す。





まさかの跡継ぎ項目、11回目。
たかが一文にここまで、グダグダと書くことがあることにすでに驚きです。
今日こそ、終わるのか?終わらせることが出来るのか?
この長い不毛な輪廻の因果律を・・・!




【みんなみんな無意味に生きているんだ友達でもなんでもないけど】



基本、人生はDNAの連鎖リレーです。
遺伝子を次世代につなぐためだけに、只管、生き続けるのです。

なぜ、遺伝子のバトンリレーを続けなければならないのか?
一体、何が目的で始めたのか?

我々はどこから来てどこへ行くのか?
全ては無明の闇の中。



生きているから、なんとなく、惰性で生き続けるということをしているのです。

どんなに、人間の一生も、鮭の一生と同じく、先祖代々同じことをやっている無意味な行為です。

と、言ったところで、いったん生まれてしまったからには、人間は死にたくありません。

ただ、只管に生き続けるだけなのです。



本来、種の遺伝子は一つのパターンのみです。

同類以外のパターンの近い種は、生存競争で淘汰しあい、殺しあいます。

そうして、種の総数は絶対なる一へ収束していくのです。





しかし、その流れとは矛盾するように、種の数は、常に拡大していきます。

人間の人口が増え続けるように。

理由は簡単です。

一種類しか種のパターンが無いと、あっけなく全滅してしまうからです。

地球環境の、変化は、斉一論ではなく、変わるときはあっけなく変化します。

その際に、単一のパターンしか無いと、環境に対応できずに絶滅してしまう恐れがあります。



人間がなぜ、別々の意識を持ち、個性があるのかは、ただ単に遺伝子の消失を免れるための保険に過ぎません。

要するに、ある日、人類を絶滅するようなウイルスが、地球上に蔓延したとしても、
60億(人の)パターンの遺伝子配列があれば、適応するのが、どれかはあるでしょうということです。

一パターンしかなければ、人類は絶滅してしまいますが、最悪、2パターンの交尾可能なオスメスが適応すれば、人類はなんとか生き残るのです。

エデンの園を追い出された、アダムとイブのリスタートです。





【皇室ビジネスの奥義】


子孫を残すことが、遺伝子のバックアップのコピー行為だとすれば、基本、生物は、死んだ者に構う必要はありません。

死んだ者からは遺伝子は取れませんので、ゴミ同然なのです。

しかし、人類は常に、遺伝子にはもう不要なはずの先祖を、常に供養していきました。



これはなぜでしょうか?



この遺伝子的には、意味不明な行為の理由の、一つには、この項で何度も出てきた身分制の正統性のためです。

支配層が、どこの馬の骨なのかわからない先祖を供養したところで、
統治の正統性には成り得ません。

先祖代々、由緒正しい家系だということを示してこそ、正統性になるのです。



ここの一番のポイントは、この場合は、実際の先祖ではなくてもいいということです。

この先祖ロンダリングは、正統性の担保ですから、最終的に、人間の地上の統治を天から委任した神に連なればよいのです。

系図を遡って、神に連なれば良い。

死んだ者は仏になりますが、さらに遡って神になることを証明すれば良い。




そのため、日本では皇室がその系図ロンダリングの、黒幕です。

成り上がりでも、いいとこのお嫁さんを貰うか、先祖の系図を捏造すれば良いのです。
建前こそが、聖なる血筋であれば良いのです。



日本の中世以降の覇者である「武士」も同様です。

朝廷とは縁もゆかりもない地方豪族どころか「別民族」である「武士」の覇者達は、先祖がみんな皇室に連なる由緒正しい家系です。

しかし、よくよく見てみると、明らかに途中でロンダリングされた形跡があります。

平氏も源氏もみんなそうです。


先祖供養とは、実際の先祖を慰めるだけではありません。

自分の家の正統性を内外に表明するための物です。

これが、皇室が今まで生き残ってきた理由です。

自分の系図を売る系図屋ビジネスこそ、皇室の基本ビジネスであり、権力の源泉です。





【東のゴーストバスターズ】


儒教は今でこそ、道徳的な説教を垂れるイメージがありますが、
その昔は葬式屋でした。



基本、古代の中国思想では、先祖は子孫が祀ってくれないと、お盆にこの世に帰って来れません。

儒教の本来の仕事は、子孫を代理して、先祖を召喚する召喚魔術を使うビジネスです。

クライアントの先祖が帰ってこられるように、屋根に登って「ホウホウ」と魂夜這いをするようなことをやっていました。

要するに道士がキョンシーを操るのと同じようなことをしていたゾンビ術者だったのです。




この葬式屋を、道徳の宗教にリプレイスしたのが孔子です。

ユダヤ教をキリスト教にしたイエス(厳密に言えばパウロですが)と同じような位置づけなのです。

世界宗教になるには普遍的な価値がなければいけません。

土地に縛られない価値観が必要です。

世界中どこに行っても通用する価値観を作り上げたのが世界宗教です。

割礼したり、屋根に登って「ホウホウ」では、世界宗教にはなりにくいのです。




支那の考えでは。子孫が祀ってくれない先祖は、悪霊になってしまうので、祀ってくれる子孫が必要なのです。

ここらへんが、家の跡継ぎを入れることは、善行になるという話に繋がります。

現代日本人的な考えだと、別に家が絶えようが、別のどうということは無いのですが、

要するに、死んだ後、祀られない不成仏霊が蔓延するのを防ぐという社会的な責任があるということです。

そういった意味で、儒教や先祖供養は、ゴーストバスターズ(次善の予防版)なわけです。



というわけで次回に続きます。



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