2017年5月22日月曜日

【陰隲録】功過格表75 残酷な天使なんかじゃない 三十善 出家神職帰依させよう⑬





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そしてそれが、さらに陰徳になるという、好循環のスパイラルです。

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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

三十善に相当する

◯一人の受戒弟子を度す。




前回からの続きです。


神に代わって仕置仕る


しかし、この預言者。
実は宗教業界だけではありません。

あらゆる業界にいるのです。
一般に、宗教業界以外は、これを「天命」や「使命」と呼んでいます。

一般に、人は成り上がりに成功して、富や権力を握ると、次に求めるのは名誉です。
慈善や芸術新興に従事したり、名家の嫁を貰いたがるのはこのためです。
後ろ暗い背景がある成り上がりほど、これに執着したがります。

権力闘争に勝つには、綺麗事では済みません。
あらゆる後ろ暗いごとが必要になります。
これが一番、わかりやすく出るのは戦争です。
戦争中も、相手を貶め、戦後は戦勝国として、自分たちは正義だと宣伝しなければいけません。
敗戦国の我々日本人は、その例を良く知っています。

要するに大義名分ですが、この大義名分。
実は、結構簡単に作れてしまいます。
理由は、地位が高くなると、配下の人数が多くなるからです。
国家ともなれば、億単位の人口です。

ここまで数が多くなれば、複雑な利害関係の組織がありますので、必ず何らかの正義が存在するのです。
あの大日本帝国だって、白人からのアジア開放という大義名分があったのです。
要するに理屈は何にでもつけられるのです。

そして、この大義名分を保証してくれるのが、宗教です。
神様仏様が、自分の正義を保証してくれるならば、大義名分としては十分です。

そのため、王権神授思想は、あらゆる国家の基本です。
神から地上の統治を認められるというのは、およそ全ての国に存在します。

西洋でも東洋でもこれは変わりません。
神に代理を委任され地上を統治し、まつろわぬ民を、天に代わっておしおきするのです。
中国の皇帝が天子と自認し、日本の皇帝が天皇と自認するのはこのためです。




【天命を受ける者】


この王権神授説は、国家だけではありません。
国家未満のあらゆる権力者にも、共通の心理です。
上は大名から下は中小企業の社長まで全てです。

権力を上位から保証されるというのは、権力基盤の基本中の基本です。
戦国大名が、朝廷や幕府に賄賂を送って、官位を貰ってたのはこれが理由です。
人間は権威に弱いのです。

しかし、誰でも、権力からお墨付きを貰えるわけではありません。
それどころか、権威に反逆しなけれればいけないマイナー権力者もいます。
彼らは、現世の上位の権力から、お墨付きを貰えません。

その場合は、彼らは実際の現世の権力をすっとばして、宗教権威からお墨付きを貰う方向に向かいます。
※外国から権威を貰う場合もあります。卑弥呼とかがそうです。

信長が第六天魔王とか言ったりするのがそれです。
また、道教事件の時に、八幡神から託宣を貰った日本史は有名です。
権威は上から貰います。
上はお上であり、さらにその上は神ですので、最終的に神(宗教権力)から貰えれば大義名分は立つのです。


が、こうした実際的な権威の話ではなく、中には神話の英雄よろしく、神から直にお告げを預言される者もいます。
大義名分でしたら吹聴する必要がありますが、人には言わないで自分だけの信仰とする者たちです。
直に預言を貰わなくても歴史上の偉人に自分を擬えたり勝手に天命を自称する人たちが少なからずいるのです。

そんな彼らが使う言葉は、「天命」です。
「天に使われている」という言葉もよく使います。

これは、人間の心理の補償作用です。
どういう事かというと、要するに、上に立つ者と言うのは孤独なのです。
下っ端は、上から言われた通りに動いていれば良いのです。
自分で判断する必要はありません。
責任は上に押し付けることが可能です。
しかし、上に立つ者はそうは行きません。

身分制が確立した社会ならば、あまりそうした心配は無いのですが、
流動的な時代、戦乱の時代や現代のような資本主義社会ではそうは行きません。

諸行無常の法則により、常に未来は不透明です。
時間は螺旋状の同じような歴史を辿ると嘯いても、その螺旋は生と死、繁栄と崩壊の螺旋です。
社会から個人まで、必ず、栄枯盛衰があるのです。

個人の未来だけでも不安なのに、上に立つものはさらに多くの配下の面倒を見なければいけません。
経営者なら、毎月毎月、綱渡りで従業員の給料を払わなくてはいけないのです。

多くの、社長は騙されて社長になってしまいます。
しかし、待っているのは、弱肉強食の市場と、繰り返される資金繰り地獄です。
少しでも途絶えれば、今まで面倒見てきた社員が、被害者ヅラして取り立て人になるのです。
※夜逃げする社長も多いのですが。

経営者程度でこのストレスですが、さらに命がかかる領主や国主、軍人などはさらにストレス値が倍プッシュです。
何しろ、敵を殺さなくてはいけません。
基本、人間の道徳は殺人、盗み、騙しを否定します。
しかし、戦時にはこの道徳は全てひっくり返ります。

自分たちの範囲を守るために、敵を殺し、盗み、騙さなければいけないのです。
内部の熾烈な権力闘争も同様です。
罪のない人間を手にかけなくてはいけないこともしばしばです。

そんな彼らが、上位の神の精神的後ろ盾を得ようと思うのは必然です。
古代からの為政者が、陰陽道などの暦の日取りや方位を気にしていたことは歴史の教科書に載っています。
合理的な戦国大名すらも、兵法というカテゴリの中で、気にしていたのです。

現代人から見ると、はぁ?という迷信ですが、現代でもこの心理は実は変わりません。

平安当時の、膨大な責任を追う立場の人間は、暦という天の運行から来る吉凶に従うことで、天命に従うという認識だったのです。
平凡な民草と違って、それが天命を受けた貴人の義務だと考えていたのです。

彼らは、宗教業界人とは別の意味で、天から命を受けた預言者なのです。
それは、今でも変わりません。
あらゆる業界の為政者は、預言者なのです。


【選ばれし者】


今でこそ、宗教的な恩恵というか教義が万人向きになりましたが、昔は宗教は一部の権力者だけのものでした。
王権神授説もそうですが、要するに、天から選ばれた人間にのみ神は言葉を下したのです。

仏陀以前のインドも、イエス以前の中東も、神は民族単位の上流階級のための宗教だったのです。
天から命を下されるのは、天に近い場所にいる人間だけです。
人の上に立つ権力者だけだったのです。

あとは物理的に高い場所、山の上にいれば天からの命は降りやすかったのです。
モーゼもシナイ山の上に登って十戒を受取り、イエスは山上の垂訓を述べました。
神社も仏閣も山の上に建立します。
※単に山の上だと空気が薄いので変性意識状態になりやすいという唯物的な理由もありますが。

この天命を受けた人間は万人から天に選ばれた人間です。
前世含めて彼らには資格があると認められた人間です。
しかし、資格があっても不祥事によって失脚するのもまた人間です。
毎年のように資格持ちの人間のスキャンダルがニュースを賑わせます。
資格を得て合格した後も、定期的に、天の人事考課があるのです。


毎回紹介する菜根譚の天の賊という箇所には、

天、一人を賢にして、以て衆人の愚を誨んとす。
而るに世は反りて長ずる所を逞しくして、以て人の短を形わす。
天、一人を富ましめて、以て衆人の因を済わん。
而して世は反りて有する所を挟みて、以て人の貧を凌る。
真に天の戮民なるかな。 

とあります。
意味は、

世の中には星の数ほどの人が存在する。
その中から天は、一人を選び、賢人や富者にした。
その理由は、衆人の愚を救い、貧を救うためにその力を与えたのである。
しかし、いざ賢や富を与えると、彼らはその使命を忘れ、衆人を侮り、搾取する存在に成り果てた。
これこそが天の賊というものである。

というものです。

毎年、合格者は天に選ばれて世に出ます。
しかし、天命を忘れ、陰徳を積むことを知らないため、資格没収されてしまうのです。
陰徳のポイントスタンプは十個集まると一品無料!のように、ある程度貯まると、資格ゲットし、
マイナスポイントが貯まると、資格喪失となります。
結局、陰徳をひたすら貯めることが世渡りの最上の方法なのです。
これが本当のライフハックです。

ちなみに、私の感覚で恐縮ですが、意外と、天は、かなり性善説的に、人に資格を与えてくれるっぽい存在です。
なんとかこうにかして、地上の人間を助けようとしているようなのです。
その意味では、万能ではなく、全知全能では無いっぽいですが、まあ神仏なので、人間の善性の塊のような生き物です。

あと、全体的に見て、地上の「人手不足」と言ったイメージです。
天命を受けると言えば聞こえはいいですが、神仏の手下です。神の下僕です。
前回、スパイダーマンの話をしましたが、怪人は悪の秘密組織の手下でした。
天命を受けた者は、天の手下です。
それが、天の人手不足状態っぽいです。

理由は、単に、今の人間の陰徳不足でしょう。
このブログの読者様はあまり関係ないですが、一般には陰徳なんてあまり知られていません。
ただでさえ、現代人はその高度な文明で、安楽を得ており、昔の人間よりも福徳ゲージを急速に消耗しています。
水一つ取ってみても、昔の王侯貴族並の生活をしています。

天から見て、人々の陰徳不足なので、天が使える人間がいないということでしょう。
ちなみに、その人間を天の使い、天使と言います。
この天使の数が少ないと、世は乱れます。
要するに、皆さんには、陰徳を積んで、天使となって貰いたいのです。

このブログはその意味では、天使養成所なのです。
前回のスパイダーマンはイメージが悪かったですが、これなら問題ありません。
さあ、皆さん、天使になって下さい。

ちなみに、豊河は遠慮しておきます。
理由は、何か、ブラックそうだからです。
世の中には、工作員養成所や声優養成所のようなブラックな養成所はいっぱいありますが、
もしかしたら、天使はさらに輪をかけてブラックかも知れません。

聖書の天使たる預言者はブラックなことは前回書きました。
預言者じゃない普通の天使も、聖書に出てくる連中は、大抵、神様からの命令で大量殺人鬼としての仕事しかしていません。
ナチスの親衛隊レベルで、上下下達の殺戮部隊っぽい感じですし・・・。

よく、キリスト教原理主義者は、悪魔や悪魔崇拝者達が、世界を破滅するとか言っていますが、
聖書を素直に読む限り、黙示録とか含めて、世界を破滅させたり人間を大量殺戮しているのってどう見ても神様の手下の天使っぽいのですが・・・。

まあ、豊河は遠慮しておきますが、皆さんはぜひ、天使を目指して下さい。

八正道にもある通り、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念および正定の正しい行いが全てです。
特に、天使になるという正しい熱意、正念が一番大事です。
聖書に出てくるような残酷な天使のように、正念で神話になって下さい。





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