2017年5月3日水曜日

【陰隲録】功過格表65 この道数十年のプロであるプロレタリア階級のプロ市民 三十善 出家神職帰依させよう③




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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

三十善に相当する

一人の受戒弟子を度す。




【問題点】


プロの出家神職を増やすのが陰徳だと言うのが今回の条項です。
と言っても、そもそも何を持ってプロの定義とするのでしょうか?



プロの定義というのは、簡単でそれはお金を稼いでいるかどうかです。
それで生計が建てられる者を、世間はプロと言います。

要するに出家や神職で生計を建てられるような状態をプロと呼ぶのです。

しかし、この条件には結構怪しい面があります。



今の時代、檀家制度が少子化で消失していて、神職や坊主と言えど兼業しなければ生きていけない時代です。

収入が本業以外で賄える場合は、出家と言って良い物なのでしょうか?

元々、仏教では金に触るのも戒律で禁止されています。
(収入は乞食で賄うのが基本)

他の職業に兼業している場合は、問題がありそうな感じです。

そのため、坊主や神職は代々の世襲でないと収入的に難しいという面があります。
要するに、世襲出来るほどの収入がある寺社があると言うことです。
ここでも世襲制の問題があります。


さらに、もう一つ問題があります。

伝統宗教の出家や神職は別に問題は無いでしょう。
しかし、新興宗教は?

新興宗教の出家や神職はこの条項に適応させて良いものなのでしょうか?




ぱっと思いつくだけでもこの二つの問題があります。
これらの問題は現代では重要な要因(ファクター)です。

ここらへんを考えてみましょう。
※後者の問題は次回で考察します。


【プロの実力】


プロというのは要するに一般人と違って、専門的な知識や技術がある存在です。

素人やアマチュアと違って、プロは時間をフルタイムでその専門に使えます。

そのため、どうしてもアマチュアよりも総時間量の差で、技術や知識に差がつきやすいのです。

つまり、総じて、実力があるかどうかがプロとアマチュアの差になります。


例えば、病気になった時に、プロの医者とアマチュアの医者では信頼度が全然違います。

実際の実力はどうかはともかく、世間はプロの方が技術があると思われているからです。

宗教的な職業も同じです。


プロの方がフルタイムで修行や神行に励んでおり、より深い霊的知識や技術を持っていると思われているからです。

葬式ならば、身内の霊魂を、確実に、極楽浄土に届けてくれるだろうし、何らかの相談をしても、ご祈祷で瞬時に解決してくれるであろうイメージです。

より深く神仏につながっており、人間的にも完成している。
凡人と違って戒律を守っている聖者です。

プロというのは世間からこういうイメージで見られています。


兼業坊主・神職だと、たとえプロでも、なかなか「聖性」はつきにくいのです。
もちろん、実力があればなんとかなりますが・・・・。



さらに、プロということにはもう一つアマチュアより利点があります。

それは業界ネットワークの力です。


どんな世界でもプロの世界と言うのは一般に文章化されない実践ノウハウがあります。

さらに、仕事に必要なインフラや営業のネットワークがあります。

これらは、実際にプロになって業界ギルドに入らないと手に入りません。


これは、公認の資格業界なら尚更です。わかりやすいのは医療業界でしょう。

薬物や医療器具は医療法人でしか手に入らないのです。
(横流ししない限り)


このように、プロとアマチュアの差は、深くて高い壁があります。





【貴い行為】


ことほど、アマチュアとプロの差は激しいのです。

要するに、出家神職としてのプロを養成することは、宗教的にも多大な意味があります。

プロが全て凄腕の聖者になれるわけではありませんが、聖者はすべからくプロです。
イエスや釈迦だって元は大工と王子の兼業のアマチュアでしたが、修行を初めて布教したのは、専業のプロになってからです。

まあ、百人いてその中の一人が凄腕の聖者になったらそれはそれでプロの価値があるのではないでしょうか?

きっちり、神仏とコンタクト出来て神仏の意思を代弁出来るものの価値は言うまでもありません。

出家神職のプロを養成するというのは、貴い陰徳なのです。

ということで、次回は、後者の問題の、プロの資格承認問題を考察します。


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