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前回のまとめ
因果応報という、バリバリの差別思想を、無理やり擁護するための弁仏論を張る豊河。
とりあえず、
①業の不可知性
②業の窃盗自由
③業の空性
④業の無効論
の、4つの反論を「無理くり」捻り出す豊河。
※詭弁レベルで無理やりやってます。
3つ目の、
③業の空性
です。
大乗仏教の空性という悟りの境地で、因果応報の弊害を無効化してみましょう。
ウロボロス
因果応報の問題点は、何度も言っているように、
原因と結果の相関関係から、現在の不幸や差別を正当化してしまう点にあります。
要するに、アフリカで飢えている子どもたちは、前世で肥え太った資本家の豚だったから、自業自得で助けなくていいよね?というロジックになってしまうからです。
これらをどうにか対処するのがこのシリーズなのですが、
基本、空性は、「世界は空で存在しないよね?」という、論理ですので、もちろん、因果応報も否定できます(たぶん)。
単純に、
因果応報は空だ!
前世の善業・悪業も空だ!
現在の社会システムも空だ!
もちろん、差別も空だ!
と言えます。
しかし、当然、これを徹底すると、単なる虚無主義です。
もっと言えば、因果応報という理論自体が、消滅してしまいます。
因果応報の悪い面を消去すればいいのに、因果応報自体を消去してしまったら、目も当てられません。
よく言われる笑い話に、諸行無常が真理ならば、諸行無常自体も無常だろうというのがありますが、それと同じです。
論理を徹底させると、自分自身も消滅してしまうのです。
空の自分自身も空になってしまえば、意味がありません。
※厳密に言えば、それはそれで有無を超えた深い境地とも言えますが。
そこで、空性というものの解釈をもうちょっと、レイヤを下げて、もうちょっと現世的に理解出来るものにします。
まあ、前にも言ったように、空の解釈は結構あるので、都合の良いものをチョイスしてみましょう。
量子論がどうたらこうたらで、時間も空間も全部畳み込まれているとかの、高度なレイヤをもっと下げます。
具体的には、因縁因果の論理で解釈出来るようなレイヤで空性を考えます。
とりあえず、
「全ての万象は、因果応報で構成されている非自立型の構造だから空である」
くらいの感覚のレイヤでいきましょう。
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